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本「10万個の子宮」

「科学者とは、どうあるべきでしょうか?」
「「エビデンスに基づく研究」とはどういうものを指すのでしょうか?」
この記事は、そんな方へ向けて書いています。
日本人として初めて「ジョン・マドックス賞」を受賞されました村中璃子さんの本「10万個の子宮:あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか」を紹介します。

本「10万個の子宮:あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか」

日本では2011年から公的補助が始まり、2013年4月には定期接種となった子宮頸がんワクチン。しかしそのわずか2ヵ月後、国は積極的な接種の推奨を一時見合わせた。ワクチンを打った少女の親たちから、けいれんや記憶力低下など、神経の異常を思わせる症状がわが子に始まったとの訴えが起こったためだ。その後、ワクチンが症状の原因という科学的根拠は見つからず、ワクチンの安全性と効果が国際的にも確立されたにもかかわらず、日本ではワクチン接種の見合わせは継続されたままだ。
現役の医師でありジャーナリストでもある著者は、3年にわたり、被害を訴える少女や親、症状から回復した女性、複数の診療科の医療関係者、行政関係者などへ膨大な取材を行ってきた。少女たちの身体の症状が本当に訴えていたこととは──。サイエンスにもとづき、子宮頸がんワクチン問題の背景と日本社会の闇に切り込んだ、衝撃のノンフィクション。

報道をみて子宮頸がんワクチンは危ないもの、と多くの人が思ってしまった誤解。
しかし、2017年7月WHOは下記のように日本への懸念を表明しています。
「ワクチンを適切に導入した国では若い女性の前がん病変が約50%減少したのとは対照的に、日本の子宮頸がんの死亡率は2005年から2015年には5.9%増加し、増加傾向は今後15歳から44歳で顕著になるだろう。」
その声明の趣旨は「子宮頸がんワクチンのゼロリスク」です。
反ワクチン派の信州大学・池田班の発表に対し、現時点でも実験の「再現性はゼロ」なのだそう。
そこにはSTAP細胞のような問題やバイアスがみられます。
結局のことろ、ワクチンによって思春期の少女にもともと多い病気の存在が顕在化した、と考えるのが妥当のようです。

「解析に耐える規模のデータをもとにバイアスを排除した解析を行うのが科学。
逸話的症例に飛びついて誤った結論を出さない謙虚さも必要だ。」
と語られています。
彼女は「薬害を薬害でないと言っている悪者」と位置付けられ、ほとんどメディアで記事を発信することができなくなったなかでも、「女の子たちのため」に検証を重ねて記事を執筆されました。
ネイチャーは、「訴訟で彼女の口を封じようとし、彼女の専門家としての地位を貶めようとする動きに直面しながらも、このワクチンの安全性について科学的根拠を明らかにし続けた。これにより、科学的根拠を重視することが日本人だけでなく世界の公衆衛生に対しても役立つということを保証してきた」と論評しています。

エビデンスに基づいた科学こそが人や未来を照らすものだと信じています。
この本を読んで、一人でも多くの女性が子宮頸がんワクチンを打って、HPV関連のがんのリスクを減らしてくれることを願っています。

Posted by ルーク